歯周病

歯周病とは、歯周組織が歯垢（プラーク）に含まれている歯周病菌（細菌）に感染し、歯肉（歯ぐき）が腫れたり、出血したり、最終的には歯が抜けてしまう等、日本人が歯を失う最も大きな原因の歯の病気の総称です。
歯周病の初期段階では自覚症状がほとんどないので気付いていない方が多いですが、実際には日本人の成人の約8割の方が歯周病にかかっているといわれています。
歯周病と似た言葉で「歯槽膿漏（しそうのうろう）」という言葉もありますが、歯槽膿漏は”歯周組織から膿（うみ）が出る”症状の事なので、厳密にいえば歯槽膿漏は歯周病の一症状の事です。最近では歯槽膿漏という言葉はあまり使われなくなり、歯周病という言葉を使う事が多くなっています。

歯ブラシや歯磨き粉のテレビCM等で「歯周ポケット」という言葉を聞いたことはありませんか？歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの境目の溝のことです。
歯は、歯ぐきとぴったりつながっているように見えますが、実際には歯と歯ぐきの間には隙間があります。
その隙間が３mm以下なら良いのですが、深い溝になっていくと、溝の中に汚れが溜まりやすくなり、歯周病が進行していきます。
深さは健康な歯ぐきで1〜３mm、中程度の歯周炎があると４〜６mm、歯周病が進行した場合は7mm以上になる事があります。

予防1 正しい歯みがき

毛の硬さは柔らかめで、小さめのヘッドが使いやすいでしょう。毛先はテーパード加工がおすすめです。取り替え時期は1ヶ月に1回を目安に、毛先が広がっていなくても毛の弾力が弱くなっていくので交換しましょう。

歯と歯ぐきの境目に45度の角度で毛先を当て、小刻みに動かします。目的の箇所に当たっているか鏡で確認しながら1本1本磨きましょう。前後に大きく動かしても、毛先が歯と歯の間に当たらず、プラークコントロールのための歯磨きができません。

予防2 よく噛んで食べる

よく噛むという事は、とても大切で、噛めば噛むほど唾液が分泌され細菌を洗い流してくれます。
近年、柔らかい物を好んで食べる傾向にあるため、歯周病・虫歯になる人が多いといわれています。よく噛む事により、歯周組織を鍛える事ができ、間接的にも歯周病予防につながります。

予防3 生活習慣の改善

歯周病は生活習慣病とも深い関係があり、正しい歯磨きや歯科医院で治療を行っても、生活習慣を改善しない限り歯周病を予防することは難しいです。例え歯周病が治った場合でも再発しやすいので、生活習慣の定期的な見直しが非常に重要なのです。

食生活の改善
ビタミン・カルシウム・たんぱく質・炭水化物など、栄養バランスの取れた食生活を心がけましょう。

十分な睡眠をとる
人は睡眠不足になると病気に対する抵抗力が落ちてしまいます。
毎日十分な睡眠をとりましょう。

ストレスを溜めすぎない
ストレスも抵抗力を下げ、歯周病菌に侵されやすくなります。
できるだけストレスを溜めない工夫をしましょう。

禁煙を心がける
たばこを吸っている人は、吸っていない人に比べ、2〜7倍も歯周病になるリスクが高くなります。吸う本数を減らしたり禁煙を心がけましょう。

適度な運動
適度な運動をする事で歯周病と深い関係のある糖尿病の予防につながり、また病気に対する抵抗力を高める事もできます。